「鵜の巣断壁」「ハイペ海岸」・・・「北山崎」だけじゃない三陸海岸の絶景たち

岩手
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前回記事で日本最高ランクの海岸美「北山崎」を紹介しましたが、三陸の絶景は北山崎だけではありません。今回は北山崎に並ぶと評される「鵜の巣断壁」と、ドライブ中にたまたま立ち寄れた「ハイペ海岸」をご紹介します。(三陸海岸沿いは漁師町になっており道路が走っています。ここを運転中に下から観る巨大な断壁はどこも絶景だったのですが、写真を撮ってなかったので他の箇所はまた訪れたときに書きます。)

まずは鵜の巣断壁からご紹介します。トップ画にも使ったこの場所です。

鵜の巣断壁は弓状にえぐられた高さ200mの断壁が5層になって連なっており、北山崎と人気が二分されるほどの三陸海岸の景勝地のひとつになっています。岸の中腹にウミウの巣があることに由来して名付けられたそうです。海の色は美しいマリンブルー。四季折々の景色を楽しむことができます。

場所はこちらです。

岩手県北部沿岸部田野畑村にあります。ここも車で行った方が便利でしょう。三陸鉄道リアス線田野畑駅からタクシーで30分、1500円で行けます。ただし、出発の1時間前までに田野畑観光タクシーに電話で予約が必要です。

鵜の巣断壁も駐車場が広く、車を降りるとゆったりと幅の広い松林の遊歩道が海岸まで約500mほど続きます。ウッドデッキでふかふかして、穏やかな空気が流れ、鳥の鳴き声も聞こえる。歩いていて気持ちがいい場所です。高低差もない道のため、小さな子供から足腰に不安がある方も歩きやすいです。

10分ほど歩くと、展望台が見えてきます。展望台はふたつあって、どちらも眺めがよくて観やすいです。右側の展望台は段差がないので車いすなどでも行けます。

ここから観える絶景はさきほどの写真のとおり。浜辺がみえる分、北山崎よりも壮大さが写真で伝わりやすいかと思います。北山崎よりも丸くて穏やかな印象の海岸線。北山崎が王様なら、こちらは優美な女王様という印象です。実際に観てみると、北山崎と人気が分かれる理由も分かるような気がします。

また、この浜辺を拡大してみると、洞窟のようなものがみえます。

実はこちら隧道(すいどう)であり、実際に行くことができます。詳しくは以下の看板をみてみてください。ただし、潮の満ち引きや東日本大震災での地盤沈下の影響で歩けない箇所もあるので、行く場合は注意が必要です。行く場合は戻ってこれるように余裕を持った行動をした方がいいでしょう。

また、こちらの鵜の巣断壁は吉村昭氏が太宰治賞を受賞した『星への旅』の舞台にもなった場所です。吉村先生は東京生まれでありながら田野畑は自分の作家としての原点だと感じ、それ以後も、『三陸海岸大津波』(中央公論社)、『幕府軍艦「回天」始末』、『梅の蕾』(文芸春秋)など、田野畑と深いつながりのある作品を多く発表されました。

北山崎だけでなく、この鵜の巣断壁もおすすめです。なお、鵜の巣断壁周りは北山崎と違ってお土産屋やお食事処はありません。その分、人も少なくゆっくり観れるかとも思います。

次は「ハイペ海岸」を紹介します。

こちら、三陸の海沿いを「すごい海岸だなぁ」と思いながら運転していたら、偶然駐車スペースを見つけたので寄ってみました。

場所はここです。

こちらへの公共交通機関での移動方法はみつけられませんでした。車で行った方がいいでしょう。

「ハイペ海岸」とは、宮古市から田野畑村までの海沿いに点々と分布している宮古層群のひとつです。宮古層群とは前期白亜紀後半(約1億1千万年前)の浅海成層で、化石が多く発掘されることで知られています。実際に行ってみると、本当に恐竜時代を思いださせるような荒々しくて古くからこの地に存在していることが伝わってくる海岸でした。

また、こちらの海辺の北側にある断層は異なる地層が連なっているようで、下から順に、基盤の地層、宮古層群の羅賀層(レキ岩)、田野畑層(下部は砂岩とレキ岩、上部は泥質砂岩)、平井賀層(細粒砂岩)と重なっている様子が観察できるようです。

こちらの断層なのですが、正直私には違いが分かりません。でもきっと学術的には大変貴重なものなのでしょう。

この海岸には地学に疎い私でも分かりやすいものがありました。それが「津波石」

ハイペ海岸には何mもある巨大な岩がごろごろ転がっていますが、これらのいくつかが2011(平成23)年3月11日の津波により山側に移動したことが確認され、「津波石」と呼ばれています。

他にも過去に幾度もあった津波で打ち上げられた岩もあるようです。この辺の岩も過去に打ち上げられたのでしょうか。周期的に発生する三陸の巨大地震、東日本大震災でよく比較される869年の貞観地震の際に打ち上げられた岩ももしかしたらあるのかもしれません。

色々なことを考えさせられる海岸でした。この海岸は大体幅70mほどのそれほど大きくない浜辺でしたので、ここを目的に来るというよりは、移動経路のなかに組み込むのがいいと思います。三陸の沿岸は本当に絶景なので近くに来たらぜひ通ってみてください。

以上、今回は三陸海岸の絶景を上から下から書きました。他にも絶景は沢山あります。というか最初に書いたように、ここを走ると大体絶景です。

三陸海岸沿いは、東日本の国立公園では唯一ともいえる本格的な海岸公園である三陸復興国立公園であり、三陸ジオパークとも連携しています。

山と海からなる三陸の美しい自然を眺め、約5億年前からの大地の歴史に触れる。津波の歴史を感じることもできます。また、三陸沖は世界三大漁場のひとつであり、食事もすごく美味しいです。

環境省_三陸復興国立公園
東北海岸に沿ってつながるみちのく潮風トレイルの楽しみ方やコースの魅力を紹介しています。
三陸ジオパーク

そして、三陸沿いを歩く「みちのく潮風トレイル」も最近の人気です。これは三陸沿岸沿いを歩きながらこの地域の魅力を体験するもの。

トレイルに興味がある方はぜひ来てみてください。

環境省_みちのく潮風トレイル
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