北海道や福岡などご飯が美味しい所は沢山あるし、ご飯を食べるだけでも旅に行く理由としては十分だと思います。日本各地の名物を食べる。同じ食材でも産地によって違う味を楽しむ。楽しみ方は色々あります。
そして、実は青森はご飯がめちゃめちゃ美味しい土地だということを知っていますか。
青森のご飯を食べてしまえば、もはや全国どこに行っても物足りなくなるくらい。
今回はそんな青森飯のひとつ。八戸のサバをご紹介します。
八戸のサバとは
「サバってあのどこでも食べられる大衆魚でしょ、別に八戸で食べなくてもいいよ」って考える方は多いと思います。でも、八戸のサバはわざわ来て食べる価値があります。
八戸のサバといえば、「サバの大トロ」、「日本一脂の乗ったサバ」と評されるほど有名で、その味は言わずもがな。普段食べているサバにめちゃめちゃ脂が乗っていると思ってください。口に入れた途端、甘味ある脂が口の中いっぱいに広がる、大衆魚だろうが何だろうがこれは美味すぎる。そう思えるサバが食べられます。
なんで、そんなに美味しいのか。
それは八戸という場所のためです。青森は日本のサバの主漁場としては本州最北端に位置し、水温が非常に低くなります。サバは海水温が18度になると脂肪分が多くなると言われていますが、八戸前沖では例年9月に入ると水温が急激に低下していくのです。
結果、一般のサバの脂肪分は約12%程度であるのに対し、トップシーズンに八戸前沖で漁獲される600g以上のサバには脂肪分30%に達するものが現れ、400g程度の小さい魚体でも脂肪分15%以上というすごく脂が乗ったサバが獲れるのです。また、脂肪分は北欧産のサバよりも後味が良く、飲食業界の方から重宝されています。
その結果、八戸のサバはブランドを持つようになり、八戸前沖さばブランド協議会が認定した期間に八戸前沖で漁獲し、八戸港に水揚げされたサバを「八戸前沖さば」と言います。そのなかで、特に大型のサバを「銀鯖」と呼んでいます。
日本で唯一のサバ料理専門店「サバの駅」
八戸には日本で唯一のサバ料理専門店があります。
それがこちら。「サバの駅」。
今回はこちらにお伺いしたら、すごい美味しいご飯が食べられたので紹介します。
場所
場所はこちらです。
JR本八戸駅から徒歩14分、八戸の繁華街にあります。八戸の繁華街は新幹線八戸駅付近ではなく、ここになるので注意してください。
地図をみると「八戸屋台村みろく横丁」にあるようにもみえますが、そこではなくて隣のビル内の1Fにあります。
店内の様子
店内は綺麗な感じで、一人から家族連れまで沢山の人がいました。お座敷があるのはもちろん、一人でもカウンターでゆっくり過ごせました。カウンターは幅があるのでストレスなく座れます。一人旅にもいいお店でした。
お食事
箸の写真ですが…こちらの店の名物は「全国区ご当地どんぶり選手権」で平成28、29年の2年連続でグランプリ受賞した「八戸銀サバトロづけ丼」です。こちらのお店がほかの居酒屋と一番違うなと思ったのは、夜にも関わらず家族連れが多く、このサバトロづけ丼を注文する方が多かったことです。お酒を飲むだけでなく、家族でご飯を食べられるお店です。
また、このお店は名物はもうひとつあります。それがこちら。
「銀サバの串焼き」。銀サバをシンプルに塩で味付けした料理です。これをおススメするのは相当サバに自信がないとできません。
今回は、この「八戸銀サバトロづけ丼」のセットと「銀サバの串焼き」を食べてみました。
まず、最初に出てきたのは「銀サバの串焼き」。
ついてびっくり。既に脂が皿にしたたり落ちてます。口に入れると、カリッとした皮の香ばしさに旨味のあるサバの身、そしてドバドバ出てくる脂。この旨味と塩加減がいい感じに調和しています。美味しい。
そして、次に出てきたのはこちらのセット。トロづけ丼のほかに「せんべい汁」もつけました。他には、小鉢でサバのフライもついてきました。
「せんべい汁」とは、青森県八戸周辺の郷土料理です。南部煎餅(青森・岩手で食べられる歯ごたえのある厚めの煎餅)のなかでも、せんべい汁専用の「かやき煎餅」を入れており、出汁を吸った煎餅は「すいとん」の歯ごたえを強くしたような食感となります。
「汁物に煎餅入れるの…?」と思うかもしれませんが、クセもなく誰が食べても美味しいと思えるのに独特な感じもある料理ですので、食べたことが無い方はぜひ食べてほしい料理です。サバの駅のせんべい汁もサバの出汁が聞いていて、とても美味しかったです。
せんべい汁を少し食べて、ついに今日のメイン料理トロづけ丼です。綺麗な見た目にサバ。サバの見た目は普段食べているものとさほど変わらないので、食べるまでどれくらい美味しいのか想像できません。でも、食べた瞬間分かりました。「このサバは美味すぎる…!」と。
一番の違いはやっぱり脂。脂の乗りがすごい。ご飯がどんどん進みます。これ一切れでご飯がいくらでも食べられる。けど、サバ単体でも食べたい。ちょっと悩ましい料理ですねw
魚の脂は、肉の脂のように胃もたれもせず後味すっきり食べることができて、どんどん食べたくなります。
途中に挟むサバのフライも魚自体にとても甘味があって美味しかったです。
食後の感想
正直私も、「サバは八戸以外でも食べられるから違うお店にしよう」って思ってました。でも、ごめんなさい。完全に満足しました。そう思えるサバでした。
お会計は、今回これにお酒を付けましたが、それでも3000円いかなかったと思います。安くて美味い八戸のサバ。
サバの駅では他にも「サバの棒寿司」「サバの串焼き」「しめサバ」「サバの味噌じめ」「サバのづけ」などの定番料理から、「サバンド」や「サバーガー」といった変わり種のメニューまで、色々な調理法で「サバ」を味わうことができます。サバをこんなに楽しむことができるんだと思うでしょう。
今回行ったのは5月ですが、八戸のサバが特に美味しくなるのは9月から。その頃にはどれだけ美味しいサバが食べられるのか。今回でもめちゃめちゃ美味しいと思ったのだから、正直楽しみ過ぎてその頃にまた八戸行こうと考えてます。サバのために。
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