久慈琥珀博物館。日本最大の琥珀産地、太古と今をつなぐ不思議な宝石たち。

岩手
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「琥珀」とは

宝石のひとつですが、他の宝石と大きく違う点があります。それは、琥珀は樹木の樹脂が化石化したものであること。琥珀は生成する過程で、古代の昆虫、葉、花、樹の皮などが自然に入りこみ、それらも一緒に化石のなかに閉じ込めてしまうことがあります。

琥珀は美しいだけでなく、当時の世界も一緒に包み込む「タイムカプセル」ともいえる宝石なのです。

映画『ジュラシック・パーク』では、琥珀の中に閉じ込められた恐竜の血液を吸った蚊の化石から、絶滅した恐竜のDNAを抽出し蘇らせるという研究がおこなわれていました。このストーリーもこの琥珀の神秘的な特性を基に描かれたのです。

その不思議な宝石「琥珀」が日本で一番採れる場所がここ、久慈市なのです。

日本で唯一の琥珀専門博物館「久慈琥珀博物館」

そして久慈市には日本で唯一の琥珀専門博物館があります。それがここ、「久慈琥珀博物館」です。

場所

場所はここです。

市街地にあるかとおもいきや、あるのは郊外。琥珀採掘現場と隣り合うように建てられました。そのため、博物館見学だけでなく、琥珀採掘体験などもできます。

JR久慈駅から約6キロほど離れており、最寄りのバス停「琥珀博物館入口」「森前」からも2~3キロ離れています。予約が必要ですが、最寄りのバス停からは琥珀博物館の無料送迎バスも出ているようです。

このように少し不便な場所にあるので、車で行った方がいいかと思います。

館内の様子

新館

琥珀博物館は、新館と本館に分かれています。まず新館でチケットを買ってそのチケットで本館も回るようになります。どちらも展示は似ていて、琥珀の歴史を実物を見ながら学ぶことができます。

まずは新館から。入館すると早速恐竜がお出迎えしてくれます。

久慈地方で産出する琥珀は中生代白亜紀後期の約9,000万年前頃の恐竜時代に属しており、宝飾品などに加工されている琥珀としては、世界で最も古い年代の琥珀です。

つまり、ここに展示している琥珀はこの恐竜時代と密接に関わっているものなのです。太古の森のイメージがジオラマで再現されている場所もあり、琥珀ができる前の樹木から樹脂が流れている状態をイメージできます。写真を撮ってなかったのですが、現代でも山の中で樹脂が流れている木をみることはありますので、あんな感じだと思ってもらえれば。

大きな琥珀も展示されています。通常、それほど大きい琥珀は採れないのですが、こちらは重さ10キロを超えています。一体どんな風にして生成されたのか興味があります。

そして、久慈の琥珀が生成されたのと同時代の化石や、昆虫や植物、恐竜時代の水や空気を包み込んだ琥珀も展示されていて、かなり近づいてみることができます。小さなものでも顕微鏡で覗けて、琥珀に包まれている生物の様子がしっかりみれます。

個人的にはこの琥珀内の生物をみれるのが一番よかった箇所かと思います。すぐ目の前の手が届く場所に恐竜時代の生物がいる。9000万年の時間差があるし、時間差があることは感じるのだけれども身近に感じられる。なんともいえない不思議な感覚になりました。

世界の琥珀も展示しています。琥珀は久慈だけでなく、シベリアやドミニカ、バルト海沿岸や中国などでも産出されています。これらについても展示されています。

新館は他にも「太陽の石」という琥珀を基にしたカプセルがあり、中に入ると光と音で、琥珀の誕生をダイナミックに演出する体験型の設備もあります。

新館はこれくらいです。通常のペースだと10~15分程度でみれるかと思います。

本館

本館も最初はジオラマから始まり、一階は新館と同じく化石や琥珀の生成の様子が展示されています。

そして、2階は我々人間が琥珀をどう利用してきたのか、人と琥珀の歴史についての展示があります。また、琥珀で創られた美術作品も展示されています。一個一個が丁寧に作られていて、琥珀がこんな使い方をされているとは知りませんでした。琥珀は宝石のなかでは大量に方だからこそ、創れる大規模な作品たち。枕や絵画、チェス、帆船模型など、昔から琥珀は贅沢品として扱われてきました。

琥珀は、ダイアモンドなどのすごく光輝く宝石ではないものの写真でも分かるとおり、みればみるほど惹きつけられる不思議な魅力を持っています。

新館の方も15~20分程度で観れます。

琥珀商品のショップ

また、新館を抜けると、琥珀で創られた装飾品やライトスタンドなどが売られているショップがあります。大きいショップですので、琥珀商品を求めている方はきっと欲しいものがみつかると思います。結構高いですけど頑張れば買える値段ですので、ぜひ行ってみてください。

世界で唯一の見学用琥珀坑道跡

外に出ると実際に琥珀採掘している場所の見学もできます。ここは世界で唯一の見学用琥珀坑道跡です。「琥珀発掘坑道を一般公開しているのは世界中でもおそらくここだけでしょう、驚きました」と、世界的な琥珀研究者であるドイツのシュレー博士は語っています。

中は真っ暗。少し怖い感じもしますが、ちょっと探検気分も味わえます。琥珀の採掘も他の化石や宝石と同じように土や岩を削ることで少しずつ採取できるのです。5分ほどですが、実際の琥珀採掘の空気感を味わうことができます。

他の見どころ

また、琥珀採掘体験琥珀玉づくり体験もできます。家族連れなどで来ると楽しいと思います。

琥珀博物館は大きな博物館ではないので、とりあえず来てみましただと少し肩透かしをくらうかもしれません。でも、琥珀に興味がある方はぜひ行ってみるといいと思います。

隣にはリトアニア館があって、工芸品やお菓子が売っています。また、ここは国内唯一のリトアニア酒取扱店です。お土産に買っていくとよいのではないでしょうか。

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