岩手県は秘境だと思っています。訪れたときにいつも思うのは、まだまだ全国に知られていない魅力が沢山あること。知られていないから行かないとわからないし、行くと度肝を抜かれるような体験ができます。今回は岩手の魅力のひとつ、じゃじゃ麺を紹介します。
じゃじゃ麺とは
じゃじゃ麺とは岩手盛岡の三大麺のひとつです。(残り二つは冷麺とわんこそば)
名前を聞いたことがある方は多いと思いますが、実際に食べると聞くだけではわからないことが沢山ありました。
今回はじゃじゃ麺を食べたときの様子を書きます。
じゃじゃ麺のお店
盛岡市内にはじゃじゃ麺のお店が沢山あります。今回はそのうち一番有名な「白龍」に行きました。白龍は四店舗あって、今回は一番アクセスがいい盛岡駅の駅ビルフェザン内のお店に行きました。
じゃじゃ麺体験談
注文
席についてメニューをみます。基本的にじゃじゃ麺だけです。選ぶのは麺の量。ラーメンの値段を想像していたら、量のわりに結構安い。うどんの値段に近いです。注意書きとして、太麺なので茹でるのに時間がかかるとのこと。ふむふむ。
謎のメニューを発見しました。「ちーたんたん」。なんだろう。周りをみると、結構な方が頼んでいる。説明を読むと、食べ終わりに麺をひと口だけ残して生卵を割って入れた皿を店員に渡すと、茹で汁が入って帰ってくるみたい。ほー。よくわからないけど、とりあえず頼もう。
10分程度待つとじゃじゃ麺が出てきた。よくTVなどでみるシルエットそのまま。いただきます。
食す
じゃじゃ麺はそのまま食べてはいけない。
なんと出てきた段階では味付けがされていない。上に乗っている味噌と混ぜたら出来上がりではないのだ。どうすればいいかというと、最終的な味付けは自分でするのです。テーブルに置いてある酢、ラー油、ニンニクなどを入れて自分好みの味を仕上げていく。
結構加えないと味が仕上がらない。初見だとどのぐらい入れればいいかの調整が難しいレベル。有名店だから誰でも美味しく食べられるのではなくて、自分の料理の腕も試される味。このような店は全国でもあまり無いだろう。そんなことを考えながら味を仕上げていく。
食べてみる。太めの麺が美味しい。うどんに似てはいるが、うどんとはまた違う味でもある。他にはない味だ。じゃじゃ麺は癖になる味。1回ではそれほど美味しいとは思わないかもしれないけれど、リピートすればハマってくる不思議な味。(現に私も今食べたくなっています笑)
量はあるけれど、意外と食べきれる。
じゃじゃ麺の付け合わせは紅ショウガ。皿に乗っている赤い物体の正体は紅ショウガです。紅ショウガ丸かじり。ワイルドで結構インパクトがある。生姜好きにはたまらないかもしれない。私はそこまでではないので、もう少し小さくてもいいかも。とか思いながら、しっかりすべて食べ切った。
最後は噂のちーたんたん。優しい味のスープだ。心がホッとしてくる。ちーたんたんで食べる麺はまた味わいが違うので、一口でなくて五口は残しておいた方がいい。
食後の感想
食べていると、盛岡の庶民に親しまれた味だと感じてくる。決して高級料理ではない。極めて大衆的な食べ物だ。
じゃじゃ麺の歴史は約60年。白龍の初代、高階貫勝(たかしな かんしょう)さんが戦前旧満州で食べてきた炸醤麺をもとに、盛岡の人に味を合わせるようにアレンジしたものが「じゃじゃ麺」のはじまり。そこから今でも廃れないで盛岡の方々の胃袋を満たし続けている。60年持つ料理は多くない。
決してひと口食べて美味しいと感動する味ではない。でも、ソールフードという言葉がこれほど合う食べ物はないと思えるくらい、他の地域では味わえない独特の愛される味をしている。そこが盛岡で長年食べられている理由だろう。
反対に盛岡以外ではほとんど食べられていない。独特すぎて受け入れられないのかもしれない。だからこそ盛岡に行った時だけ食べられる料理として、これからも食べられていくのだろう。
ぜひ盛岡に行った際は食べてほしい。もし、盛岡まで行けないけれどじゃじゃ麺が気になる。という方は通販もあります。ぜひ一度食べてほしい。いや、三度は食べないとじゃじゃ麺の良さはわからないので、最低三度は食べてほしいです。
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