社会人になると、意識しないとなかなか運動しない生活になってしまいます。健康に生きるには運動は欠かせません。ただ、運動するにしても効率よく行いたいですよね。カロリーを沢山消費して脂肪を燃やし、身体のラインを綺麗にするために筋肉もバランスよく付ける。そのための最適なマシンを紹介します。その名も「ローイングエルゴメーター(通称エルゴ)」。エクササイズ用のエルゴは沢山の種類が売られていますが、今回はそのなかで最もメジャーで信頼のある商品である「コンセプト2」を紹介します。また、私はボート競技者としてエルゴで地球一周以上の距離を漕いでいますので、実際の使い方、トレーニング方法についても紹介します。
ローイングマシンエルゴメーターとは
ボート競技の動きを陸上で再現することができるトレーニングマシンです。脚や背中、腕などの全身の大きな筋肉を一度に使うため、消費カロリーが大きく(ジョギングよりも少し大きいくらいで、10分で約120キロカロリー(個人差あり))、全身を鍛えることができます。座った姿勢で行うのでジョギングなどに比べて関節への負荷も小さいです。また、運動による負荷も自分で調整できます。軽いジョギング程度の運動もできますし、立てなくなるくらい追い込むこともできます(座りながら運動するので、立てないくらい疲れていても運動を続けられるのです)。HIITトレーニングももちろんできます。有酸素運動と筋トレを合わさったトレーニングを行うこともできる非常に優れたトレーニングマシンなのです。
公式ページも張っておきます。「この世に存在する最も過酷なマシン」と書いていますが、上記のとおり立てなくなるくらい追い込めるという意味であり、負荷は自分で決められるので軽い運動も出来るので安心してください。
購入時の注意点
次は実際に家に置くときの注意点について解説します。
組み立て方法
コンセプト2の組み立て方法は簡単です。説明書に従って、取り出しから20~30分あれば完成するでしょう。脚部と本体部に分かれていますが、本体部に2~3個部品を付けるだけです。ドライバー等必要な道具も付属されています。ただ、やたら大きい段ボールでくるので、購入時は確実に受け取れるようにしておきましょう。25kgありますが、なんとか一人で持ち運ぶことはできます。
大きさ
組み立てると大体奥行き240cm×幅60cmです。私はAmazonで「【Amazon限定ブランド】SOLPEX トレーニング ジョイントマット エクササイズマット 防音 衝撃吸収マット ホームジム 大判ジムマット 」という商品を買いました。60cm×60cm×1.2cmのこのシートを丁度4枚敷いた大きさになります。高さは1mもないくらいです。
部屋に置いている荷物の量にもよりますが、6~8畳あれば使うことができます。ただし、そのままエルゴを置いておくとがさばるので、使わないときは折りたたむことをおススメします。折りたたんだときの大きさは、幅85cm×82cm×150cm程度です。洗濯機と同じくらいになります。
なお、私は上記のシートを敷いて使用していますが、そこまで床が傷つくものではありません。ただし滑りやすい床の上で使うと多少前後に動くので、全く床にダメージが無いわけではありません。
また、床下に響く運動ではないので、防音マットを敷かないと音が響くというものではありません。そのため、使用する時は上記のマットを使うか、もしくは段ボールを敷く程度で十分です。
使用音
エルゴはチェーンを引くことで中のドラムを回すという構造になっています。そのため、運動中にドラムが回る音がなります。この音については、あまり運動しない方だと大体70~80デシベル程度です。競技者レベルだと80デシベルは超えてくるかなといったところです。
防音がしっかりしているアパートならば隣にはあまり聞こえませんが、全く聞こえないかと言われると分かりません。自分の住んでいるアパートの遮音を確認のうえで購入した方がいいでしょう。
耐久性
基本的に壊れません。私は競技者時代に毎日使っていましたが、10台以上あったのにその間に壊れたエルゴはありませんでした。よっぽど変な使い方をしなければ10年単位で使えると思います。
メンテナンスで一番こまめにしないといけないのは、使用後にレールを拭くことです。拭かないと徐々にレールがでこぼこになっていきます。毎回使用後はタオルなどの布で軽く汗とレール上の細かなごみを取るようにしましょう。
リセール価格
私は売ったことはないので正直分かりません。ただし、コンセプト2のエルゴは日本全国すべてのボート部が使っていると言ってもいいですし、トレーニングジムにもありますので、それほど価格は下がらず、売り手が見つからないということもないかと思います。現に私もそう思っていて、購入時は多少値は張るものの私自身も個人的に使うエルゴとしてコンセプト2を購入しました。
正しい動き方
次はトレーニングのための正しい動き方を紹介します。トレーニング効果を高めるには正しい動きが大切です。エルゴは主に以下の動き方をします。
イメージは以下の動画を見てください。
正しい姿勢
まずはシートに座り足をベルトで固定します。固定しないと引き終わりに身体が後ろに飛んでいくので注意してください。また、靴は必ず履いてください。靴下程度だとすぐに靴づれのようになって、かかとの皮がめくれます。バーは順手で、チェーンが床と平行になるくらいの高さで持つようにします。
キャッチ
チェーンを引き始めるときの姿勢です。
このとき、脛は地面と垂直、身体の傾き具合は1時くらいの状態となります。
ドライブ
キャッチから、チェーンを引き始めて引き終わるまでの動きの事です。
この時の注意点は、脚の力をしっかり使う事。この段落は理屈ぽいことを書いているので、軽く流し読みしてもらってOKです。ボートで使う筋肉の順番は、脚⇒脚+背中⇒脚+背中+腕となります。どういう理屈かというと、ドライブは最初から最後まで一定の加速度となるように引いてくるのですが、身体の筋肉というのは動かし始めと動かし終わりは力があまり出ないで、途中が一番力が出る構造となっています。そのため、脚だけで蹴ると力のかかり具合が山のような形になります。そのため、一定の加速度で引くには、脚の力だけだと駄目です。脚だけだと力のかかり具合が小さくなるタイミングで背中の力も加えて、脚と背中だけでは力を掛けれなくなってきたところで腕の力も加えるということになります。また、先に腕や背中などハンドルに近い部分の力を使うと、脚の力が伝わりにくくなります。そのため全身の力を使おうとするとまずは脚からとなります。
上記を上手にやるのは数年単位でかかるのでなかなか難しいですが、トレーニングとしてはドライブの最初は脚で蹴るということは覚えていただき、その後は引けるところまで引いてくるというイメージくらいでやれば効果は十分でるでしょう。これなら、通常1か月もあればできるようになるので上の段落で書いたことが難しいと思った方もそんなに心配しなくて大丈夫です。
ドライブの注意点としては、身体を後ろに倒し過ぎると腰を痛めますので、だいたい11時位まで倒せばいいです。また、最初の脚で蹴るときに体幹が緩んでいるとチェーンは引けずに脚(腰)だけが後ろにいくような形になって腰を痛めやすい姿勢になりますので、体幹を固めて脚で蹴った分だけチェーンも引けるようにしましょう。
フィニッシュ
引き終わりの姿勢です。上記のとおり、引けるところまで引きましょう。具体的には身体に当たる直前までです。身体に当たるまでは引かなくていいです。
リカバリー
フィニッシュからキャッチの姿勢に戻るまでの動きです。ここでも動く順番があります。まず最初に腕を出します。腕を伸ばしたら、次は身体の角度。キャッチの角度まで戻します。最後にシートを動かします。シートが動いている間は、シンプルにシートだけが動き、脛が垂直になるまで前に出たらキャッチの姿勢が出来ている状態になります。エルゴのシートは勝手に前に出るようになっているので、力を込めて前に出る必要はありません。
また、キャッチからまたキャッチの姿勢まで戻る一連の動作をストロークと言います。
トレーニング方法
次はトレーニング方法です。動き方は上記で紹介したもので変わりません。変わるのは負荷(ドラッグ)と運動時間と1分間当たりに引く回数です。これら変えることによりトレーニング強度を自在に変えることができます。
負荷(ドラッグ)
まずはチェーンを引くときの負荷を設定しましょう。取扱説明書に設定方法が書いていますが、エルゴのドラムの右側に上下に動かせるレバーが着いています。取扱説明書をみながら、ディスプレイをドラッグ表示の画面に変えて、チェーンを引けば現在設定されているドラッグを確認することができます。そこからレバーを上下すればドラッグを変えられます。これは単純にドラム内で通過できる空気量を変えることでチェーンを引く重さを変えているのです。
数値としては、有酸素運動のときは100程度、高付加トレーニング時は115程度を基準にすればいいでしょう。女性の方はこの数値より5~10程度下げればいいかと思います。
時間、1分間のストローク数
初めての方
初めての方はまずは5分間でストロークは1分間に20を目安に引いてみてください。最初はこれで思いっきり引いてギリギリ体力が持つくらいかと思います。慣れてきたら10分でストローク1分間に20で引いてみてください。これにも慣れてきたら以下のトレーニングを目的別にするのがおすすめです。
有酸素運動
有酸素運動なら、20~60分間連続で引き続ければいいでしょう。ストロークは1分間で20~24程度が丁度いいです。出力は、ドライブをするとディスプレイにこの力だと500m進むのに何分かかりますというのが出ますので、それをみながら調整してください。全日本トップクラスの選手は60分で1分50秒/500mを切ってきますので、挑戦したい方はしてみてください。
高負荷トレーニング
筋トレに負荷をかけるならば5分間、ストロークを1分間で16~20程度で、おもいっきりドライブするのもいいでしょう。1分40秒台/500mが出れば、かなり力があるかと思います。
HIITをするならば、30秒動いて30秒休憩などです。この時のストローク数は1分間で最低30以上です。引けるだけ早く引いてください。目指すは1分10秒台/500mです。HIITの例だと、30秒ドライブ30秒休憩×10を3セットなどでしょうか。
ボートレースの強度
ボートレースは中距離のような競技です。有酸素能力も筋力もバランスよく必要です。
2000mがボートレースの距離なので挑戦してみてください。ストロークは1分間で28~32が目安です。7分を切ればかなりすごいと思います。(日本のトップ選手は6分20秒を切ってきます)
中距離のトレーニングとしては、8分をストローク28で漕ぐのを3セットなどです。
まとめ
以上。エルゴを紹介しました。最強のトレーニングマシンと言われるのも納得のマシンですが、高い買い物ですので、できるだけ買った後の事を想像できるように書いたつもりです。もし購入に悩んでいる方がいたら、参考になったら嬉しいです。
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