2013年、久慈市の沿岸部は朝ドラの舞台になりました。
その朝ドラとは『あまちゃん』。東京での生活で自分の見失った女の子が祖母の住む東北の田舎町に移り住み、海女を目指すなかで本来の自分を取り戻していく成長物語。ドラマ内でよく使われた「じぇじぇじぇ」のフレーズは一大ムーブメントを巻き起こし、流行語大賞にも選ばれました。
久慈市には、この『あまちゃん』の撮影スポットが沢山あります。そのなかでも最も代表的なもののひとつがこの「小袖海女センター」です。
撮影スポットというよりも、『あまちゃん』の原点というか、久慈の海女というもの自体を感じるのに最適な場所です。
場所・行き方
場所はここです。
久慈駅からバスで40分です。小袖海岸(バス停)で降りて、歩いて5分程度です。
正直、調べながら「ここバス通るんだ?」って思いました。小袖海女センターまで狭い道がしばらく続きます。車で行く場合、対向車が来たときは路肩によける必要がある道がしばらく続くので、運転に不慣れな方は結構長い間、頑張って集中して運転しないといけないかもしれません。運転に慣れている方ならそれほどストレスなくいけると思います。海沿いの道の方が、三陸の絶景が続きますし、幾分走りやすいのでおすすめです。
実際の様子
小袖海女センターに着きました。誘導員の方に誘導されて駐車場に停めます。
しかし、どこに海女センターがあるか分からない…
よく分からないけど、一番それっぽい建物を目指します。3枚目の写真の3階建ての建物です。
「じぇじぇじぇ発祥の地」記念碑
途中、「じぇじぇじぇ発祥の地」記念碑がありました。
「じぇ」の源語は、小袖の愛郷方言で、驚きをはじめ感情を表現する言葉で、海に暮らす集落形態、生業から生まれた会話の相槌言葉のようです。
『あまちゃん』では、驚きを増すほど「じぇ」の数が増えるとされ、発言回数は816回にもなったそうです。確かによく「じぇじぇじぇ」聞いていたような…
行く途中でみれるもの
小袖海女センターまでの道沿いには今も漁に出ている場所で船も沢山停まっており、日々の生活が垣間見える気がしました。
途中、『あまちゃん』の撮影スポットであり、古くから使われている道もありました。それがここ。海女センターに向かう途中の右手側にあります。
この道は昭和40年ころまで、生活の主道路として使われていました地元の人々(特にも女性の方々)が50キロ以上の背負物をしてこの坂道を三往復も登り下りしていました。この坂道を15~20分ほど登っていくと、『あまちゃん』で放送された監視小屋があり、綺麗な海がみえます。
ちょっとした小道にみえますが、そのような歴史があることを知ると、この地域の方々の生活を感じることができて、ふと感慨深くなります。
「北限の海女の里」の石碑
更に左手側には「北限の海女の里」の石碑が。
「北限の海女」とは久慈市の海で活躍する海女の総称。
久慈市での素潜りによる採取の歴史は古く、約2500年前にはすでに行われていたそうです。女性も潜るようになったのは明治初期から。男性たちが遠洋漁業で何日も家を空けるようになると、女性たちも畑仕事の合間に海に出るようになりました。
そして、昭和34年に放送のラジオドラマ『北限の海女』がきっかけに久慈市の海女は全国的に有名になったようです。『あまちゃん』の前からドラマに使われていたのは知りませんでした。海女の歴史というのは、何時の時代も興味深いものなのかもしれません。
館内の様子
そして、ついに海女センター。ここに辿り着くまでにも、普段あまり馴染みのない海女の生活はもちろん、大分この地域の歴史を考えることができます。昔からこの地で海と一緒に生活してきたことが分かるところが多くて、若干お腹いっぱいですw
海女センターの館内は無料で見学できます。また、今は新型コロナの影響で食堂は閉まっているので注意が必要です。
館内はこの地域の海女のことが沢山。あまり大きくないので、あっさりみたら10分ほどで終わりますが、じっくりみるとそれなりに時間はかかります。普段知らない海女の歴史や海女そのものを考えられます。普段東京などの都会に住んでいる方にはなじみのない世界かもしれませんが、確かにこの地で古くからおこなわれてきた生活を知ることもできます。
全然歴史に関係ないけど、個人的には本当にあまちゃんの衣装で素潜りしてたんだっていうのが一番の驚きでした。。
現在、この久慈にいる海女の数は20人ほどのようです。今なお続く海女の歴史です。
開催イベント
そして、この海女センターでは期間限定ではありますが、イベントが開催されています。
ひとつめが、7~9月の土日祝に行われる素潜り実演。平日でも団体(10人以上)の予約制のようです。また、実演時間についてはお問合せください。
行われる場所は、海女センター隣の海です。
また、毎年8月第1日曜日には「北限の海女フェスティバル」が開催されます。海女のウニ素潜り実演のほか、ウニ採り名人戦、郷土芸能披露などの沢山の催しものや、ウニやホヤなどの即売も行われます。この季節はウニが旬です。三陸の極上のコンブを食べているウニは全国有数の美味しさ。海女や小袖海岸の歴史に触れながら、極上のウニを食べる。かなりいいと思います。
ここは、歴史や海女の生活に興味がある方ならイベントなしでも楽しめますが、より楽しむならやはりイベントに合わせて来るのがいいかと思います。現役の海女とおしゃべりすることでより深く海女を知ることができると思います。
夫婦岩
これで海女センターの紹介は終わりと思いきや、実はもうひとつここには観光スポットがあるんです。
それは海女センターのちょっと奥に行ったところにある大きな岩。上の写真でも上側に少し写っています。
これは「夫婦岩」といわれ、約1億3000万年前に地下深くでマグマが冷え固まってできた岩が隆起して侵食された結果、作り出されたものです。二つの岩(男岩・女岩)を繋ぐしめ縄が東日本大震災の津波でも切れなかったことから、縁結びに後利益があると言われています。
また、『あまちゃん』でも、祖母夏ばっぱが、アキの背中を押し、海に突き落とした場面で登場しており、「スナック梨明日」の壁面にも描かれています。
まとめ
これで本当に終わりです。
ぜひ、海女に興味がある方は行ってみてください。
また、海女の素潜り実演は久慈地下水族科学館「もぐらんぴあ」でもみれるようですので、そちらにも行ってみてください。
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