標高差200mの岸壁に、奇岩怪岩、大小さまざまな海蝕洞窟、断崖絶壁の海岸線が約8キロも続く圧巻の絶景スポット「北山崎」。
今回は岩手県にあるこのスポットを紹介します。
「北山崎」とは
(公財)日本交通公社が平成11年に公表した全国観光資源評価「自然資源・海岸の部」で国内で唯一の最高ランク特A級に格付けされた景勝地です。(平成29年時点では他に「広島・瀬戸内海の多島景観」「沖縄・慶良間諸島の海岸」もランクイン)
特A級とは、「わが国を代表する資源であり、世界に誇示しうるもの。日本人の誇り、日本のアイデンティティを強く示すもの。人生のうちで一度は訪れたいもの。」と定義されています。
つまり、「世界に誇れる一生に一度は行くべき海岸」が岩手にあるってことですよね。
また、別名「海のアルプス」と呼ばれ、自然の息吹を感じる春、ときにやませにかすむ夏の海、紅葉の美しい秋、そして墨絵のような雪景色と、四季折々の景色を堪能できるようです。つまり、一生に一度ではなく最低4度は行かないと、北山崎は理解できないということですよね。これはさっさと一回目行くしかない、ということで行ってきました。
場所・行き方
場所はこちらです。
現在、三陸沿いを走る三陸自動車道は仙台~八戸間がほぼ全線開通していて、北山崎付近まで高速道路で行くことができます。もしくは東北自動車道で盛岡まで行き、そこから宮古に抜ける宮古盛岡横断道路で行く事もできます。公共交通機関を使う場合は、田野畑駅からタクシーで20分、片道800円です。ただし、1時間前までに田野畑観光タクシーに電話で予約が必要です。
実際の様子
駐車場
駐車場はかなり広めで、車が停められないということはないでしょう。入口は一か所なので、ナビ通り進めば迷うことなく辿りつけると思います。ナビは「北山崎」もしくは「北山崎第●展望台(●は1~3)」を入力しましょう。第1~3展望台に行くための駐車場は全て同じです。
降りるとまずは食事処やお土産物屋、ビジターセンターがある芝生の広場になっています。地図はこんな感じです。
第一展望台
駐車場から10分ほど歩くと、第一展望台に着きます。
ここから観える景色も壮大なのですが、正直少し観づらい感じがするのは否めないです。そこで、もっとよく観たいという方は第二展望台まで行くことをおすすめします。口コミをみても、北山崎に来たなら最低でも第二展望台まで行った方がよさそうです。
第2展望台
第二展望台までは第一展望台から363段の階段を進みます。5~10分ほどかかりますが、昇り降りが混じっているため想像ほどのきつさは感じずに往復できます。ただし、汗は結構かきます。
途中、道が分かれている箇所があります。
第二展望台まで155段の他に、波打ぎわまで510段が現れました。波打ちぎわまで行くとなると、200m降りてまた昇るということです。かなり勾配があるので私は断念してました。ここまで余裕だと思った方はぜひチャレンジしてみてください。行ってよかったと思える絶景が観られるようです。
先に進むと第二展望台がみえてきました。
ここから観える景色は相当いいです。ここまでは絶対来た方がいいです。
写真では正直なかなか伝わりませんが、写真だと数十mの高さにしか観えませんが、本当圧倒的に大きくてすごいんです。
なんでこんなすごい断壁ができたのか。1000年2000年では絶対にできないことが想像でき、数万数億年かけてできたことを肌に感じることができます。恐竜がいた時代よりももっと古い時代、地球の時の流れをこの断壁から感じられるような気がしました。
第3展望台
第二展望台がよかったので、第三展望台も頑張って行ってきました。どんな景色が観れるのか。第三展望台は第一展望台から歩いて300mほどで、勾配はないので楽に行けます。
第三展望台から北山崎を観てみました。その写真がこちら。
…なにも観えない。ガッカリして下をみたら、びっくりすることが。。
地面がみえない。ちなみに第三展望台側の崖は、第二展望台に行く途中の階段から観る事ができます。こんな崖でした。
ただの高さ200mの断壁です。落ちたら確実に死にます。第三展望台から観ている分にはまったく問題ないのですが、高所恐怖症の私の心拍数は一気に上がりました。今思い出しても心臓がバクバクします。
第三展望台はゆっくり森林浴を楽しむにはいいですが、来ても何もみえないので、断壁を観たい方は行かなくてもいいかと思います。
「北山崎」の形成理由
「北山崎」は、約1億3000万年前(中生代前期白亜紀)の大規模な火山活動にともなう噴出物(溶岩や火山灰、火山礫などが堆積した火山砕屑岩など)が、海底で波の侵食を受けて平らになった後、隆起によって海面から顔を出し、長い時間をかけて現在の標高にまで達することで形成されました。また、北山崎がある一帯は、海流の影響で波が荒れやすく、侵食が活発で地震による津波の影響を受けやすい場所です。そのため、段丘面の下部が削りとられ、上部は崩れ落ちるということを繰り返して、ほぼ垂直の崖が形成されたのです。
「北山崎」は海からも観れる
この北山崎は、展望台からでなくて海から観る事もできます。
それが「北山崎断壁クルーズ観光船」と地元の漁師が案内する「サッパ船(小さな磯船)」によるツアーです。海食洞や岩礁の間を縫って航行するコースでは、小さな船を巧みに操船する漁師の技術を間近で見る事ができます。
まとめ
今回は日本が世界に誇る絶景「北山崎」を紹介しました。
遠いため、移動時間はかかりますが、東北旅行に来た際はぜひ立ち寄ってほしい場所です。
絶景以外にも、6月上旬〜7月上旬の期間限定ですが、北山崎ビジターセンターの裏手にある高山植物のシロバナシャクナゲが白く美しい花を咲かせてますので、合わせて観るのもいいかと思います。
ちなみに最初に紹介した全国観光資源評価ランキングでは、他部門も入れると特A級(全55件)のうち、東北では「奥入瀬渓流」「十和田湖」「中尊寺」「青森のねぶた」がランクインしています。こちらもぜひ訪れてほしい場所です。
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